くまさんと知り合った最初の2~3年間は、プライベートの悩みで苦しんでいた時期でした。
そんな時に、聞かせていただいたお話が、そっくりそのまま作品になっているのが今日の内容です。
『原点の思い出』というタイトルがつけられています。
『一杯のコーヒー』⇒
『本当に辛い体験後の一杯のコーヒーには感動した。普段のコーヒーには感動はない』
『焼きそば』⇒
『辛い時代に正月初詣の時 500円の焼きそばが高いので食べられなかった。
普段は旨い不味いで食べている』
くまさんも、私と同様、精神的に追い詰められて、『死』を考えるところまで、経験されています。
そして、激貧の時代も経験されています。
銀行口座にもお財布にも、どこにも現金がないという経験は、かなり辛く厳しいものです。
しかし、その時に感じた、感覚や思いは、他では味わえない貴重な体験とも言えます。
その時のことを思えば、『今』がどれほど恵まれていて『幸せなのか』を、しみじみと感じることができるのです。
また、くまさんは、悩みを相談していた時に、よくコーヒーをごちそうしてくださり、悩み事をじっと聞いてくださいました。
ご自身の体験から、アドバイス以上に『聞いてあげること』『一杯のコーヒー』が、心を癒すということをご存知だからです。
人から悩みを相談されたとき、ついつい、人生の先輩風を吹かせて、色々とアドバイスをしがちですが、案外、本人の中では、答えに気づいていて、そこに直面したくないだけのこともあります。
気づいているかいないかは別としても、実際に、答えはご本人の中にあります。
そこに向き合うためにも、安心させてあげることが一番だったりするわけで、そんな体験は、その方にとって、後に『原点の思い出』になるのだと思うのです。